• 2023.9.12
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揺れる提灯も太鼓台も「材料は竹です」

 二本松提灯祭り開催まで1カ月を切りましたが、竹細工で太鼓台を制作する安斎勇治さん(平石高田)は今年「夜の太鼓台」に挑み、紅提灯をまとった山車が完成しました。竹を組み合わせて提灯1個1個を作りましたが、そのサイズは高さ11㎜×幅12㎜。「太鼓台1基に270個作った」そうで、気の遠くなりそうな作業に驚きます。優雅さをまとった山車は幅14㎝×奥行18㎝、すぎなりを含め高さ54㎝。

昼と夜の提灯祭りを竹材で仕上げた作品

 安斎さんは実家の竹林対策で竹を切り出し、独学で竹細工に取り組んでいます。竹の皮を取り除いて材料にし、これまでもSLや昆虫、龍などさまざまな作品を制作していますが、太鼓台は注文が相次ぎ、ライフワークのように作っています。今年の太鼓台は、屋根をそった1枚もので仕上げるなど各所〝進化〟しており、「昨年のお祭りのころの作品と比べ、本物に近づいた」(安斎さん)そうです。

 「山車だけでは二本松の提灯祭りにならない」と、にほんまつ城報館を何度も訪れて常設の太鼓台を観察、写真に収め、「夜の太鼓台」制作に取り掛かりました。計算上、提灯のサイズは1㎝程度になり、高さと幅で微妙にイメージが変わることから試行錯誤を重ねたそうです。シンボルとなる「すぎなり」も形よく出来上がり、「竹で伝統の祭りを表現することができた」とにっこり。ただ「もっと進化させた太鼓台を作りたい」と尽きない情熱をのぞかせます。

細部までこだわり続け、制作した安斎さん

 安斎さんは、本年度の県シルバー美術展に「昆虫(蟻・バッタ)のオーケストラ」を出品し、昨年に続いて入賞。さらに全国出展推薦作品に選ばれました。問い合わせは竹工房・響(電話090-1936-1170)へ。

全国出展作品に選ばれた「昆虫のオーケストラ」
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