• 2022.6.24
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千輪咲づくり、暑さとの闘いは続く

 二本松の菊人形を象徴する「千輪咲」の手入れ作業が連日30度を超す暑さの中、続けられています。千輪咲は文字通り、1本の菊の茎から枝分かれを繰り返して1,000個程度の花を咲かせるもの。菊人形に欠かせない超一級の芸術です。

 二本松市高西にある二本松菊栄会の菊花栽培場では年間を通して菊人形の準備作業が進められています。千輪咲は2年掛かりの芸術で、1年目の暮れに型作りに入り、2年目の春から分枝作業を本格化、つぼみを付ける9月下旬から形を整えるそうです。菊はオリジナルの黄色花「あだたらの輝き」と白色花「裾の月」の2種類。この時期は分枝最中の様子が内側からはっきり観察できます。本田享一さんによると「春の冷え込みで例年より手間が掛かっているが、一日あたり5人が休みなく作業している」とのこと。

 同場では、鉢植えの菊花だけでなく五重塔やトンネル、観音様、箕輪門周辺など会場を彩る菊造形のパーツも栽培され、早咲きと遅咲きの入れ替えを含め6,000本以上の菊花を手入れしています。夏の暑さを経てこそ、菊は鮮やかさを増すのでしょう。二本松の菊人形は10月8日~11月13日に「竹取物語」をテーマに霞ヶ城公園で開催される予定。

暑さの中、手入れされる千輪咲
分枝の繰り返しで迫力ある千輪咲に
内側から見ると茎からのびる枝は数本だけ

今秋仕立てる千輪咲は菊人形会場だけで5作品を予定
五重塔に使われる型どった菊のパーツ。100本あるという
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